b型肝炎ウイルスキャリアと判明したら

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母子感染対策や予防接種での感染対策がとられ、新たにb型肝炎ウイルスに感染する人は減少傾向にあります。しかし、対策が取られる前にキャリアになった人や、性交渉などによる水平感染により一部、慢性化した人などから、新たに感染を生むことがあるのです。

自分がキャリアの可能性があるのか、あるいはキャリアだと判明した場合、どうすればいいのか等をここでは紹介しています。

キャリアになる過程

b型肝炎ウイルスに感染することで発症するb型肝炎は、世界的な健康問題の一つになっています。

日本にはおよそ150万人の感染者がいるとされており、その多くが無症候性キャリアですが、10万人程度の慢性b型肝炎患者がおり、そのうち3万人程度が肝硬変や肝がんまで進行しています。

1965年に原因であるb型肝炎ウイルスが発見されて以降、さまざまな研究がなされており、臨床像は明らかです。b型肝炎ウイルスに感染する経路は、2通りです。免疫が不十分な三歳児までの乳幼児が感染した場合、そのままウイルスを保持する持続感染となります。

こうして感染した人は、キャリアとなります。日本のb型肝炎ウイルスキャリアは、非常に母子感染が多いです。母親が何らかの経路で感染し、その子供がキャリアになってしまうので、こうしたケースは、垂直感染といわれています。

一方、免疫が十分に成熟した成人が感染すると、免疫ができているので、ウイルスを排除できます。この場合、一過性感染といいますが、近年、慢性化するケースもあるので、注意が必要です。このように、感染した時期によって、b型肝炎ウイルスが、持続的に体の中に棲みついてしまう場合と、免疫で排除できる場合があります。

不明だった感染源が明らかに

三歳ごろまでに感染した場合、持続感染となりますが、従来、キャリアになる人は、母子感染によるものと考えられてきました。

そのため、母子感染を予防する施策は1986年以降すすめられ、国内での母子感染はほぼみられず、キャリアの数も劇的に減少しました。参照元⇒b型肝炎訴訟対象者|アディーレ法律事務所

母子感染対策は見事な成果をあげたものの、残念ながら1986年以前に産まれた人の中には、キャリアになっている人がたくさんいるのが現状です。これ以外に問題となっているのが、家族の中にb型肝炎ウイルスキャリアがいないにも関わらず、何らかの経路で感染していまった人が多くいるということです。

こうしたケースの感染源は不明でしたが、調査と検討がなされた結果、b型肝炎ウイルスワクチン以外の予防接種が原因ではないかと考えられるようになりました。個々の感染の原因の特定というのは困難ですが、最高裁で予防接種の可能性があると認められています。

キャリアになると

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b型肝炎を理解するうえでは、自然経過を十分に理解しておくことが大切です。c型肝炎と比べても、その症状は多様で、治療に関していえば、治療介入が必要な場合とそうでない場合があります。b型肝炎ウイルスに感染した人のうち、病気の発症に至るのは、全体の1割です。

残りの9割の人は、病気を発症することなく、無症候性キャリアになります。ウイルスに感染していても、一生健康で、肝臓を健康に保って過ごせる人は、9割もいるのです。無症候性キャリアを含め、急性b型肝炎患者の場合や自然経過での肝炎の沈静化が期待できる若年層の場合は、原則的に治療介入は行いません。

そのため、治療対象としては、肝炎が長期化して慢性化したb型肝炎ウイルスキャリアや自然経過において、病態が進行する可能性が高い場合など、残りの1割の人だけになります。さらに、そこから、一部の人だけが肝硬変や肝がんに進行するのです。

発症する場合とそうでない場合の違いに関しては、厳密に解明はされていません。無症候性キャリアの人は、献血ができなかったり、人に感染させてしまうリスクというのはありますが、それ以外は日常生活に何の支障もありません。

しかし、検査を受けないとキャリアかどうかはわかりませんので、自分がキャリアだと知らずに一生を終える人もいるのは確かです。高齢になってはじめて、自分がキャリアであることを知る人もいます。持続感染者であるキャリアは、ただ発症していないというだけで、ウイルスが居続ける限りは、発症する可能性はゼロではありません。

そのため、年に1回は検査を受けることが大事です。

正しい向き合い方

キャリアだと判明した場合、治療の必要性がなく、経過観察でいい場合には、ウイルス量を計測する方法がありますので、年に1回程度の検診を受け続けることで、ウイルスの増減がわかります。無症候性キャリアであっても、ウイルス量が高い状態が続いている場合、発病する確率が高いということなので注意が必要です。

ウイルス量が多いと指摘された人は、こまめに肝機能の検査を行い、ALTの値を管理していきます。ウイルス量が検知感度以下など低値で推移しているようなら、何の支障もないですが、経過観察をつづけることになります。

治療の必要性がある場合には、ウイルスの遺伝子型を調べ、今後、どのような経過をたどる可能性が高いかを予測し、治療方針を決めていくのが一般的です。

キャリアとして生きていくために

自分がキャリアだとわかり、悩む人もいますが、正しい知識を持っていれば、普通の生活を送っていくことは可能です。b型肝炎ウイルスは、血液に直接触れることと、性交渉以外では感染しません。一緒にプールに入る、お風呂に入る、あるいは同じお皿のものを食べても感染することはありません。

実際にウイルス量の多い人は、感染力は強いですが、その場合でも、血液と性交渉以外の感染はないのです。空気感染もしませんので、同じ部屋にいても問題ありません。しかし、けがなどで出血することがあれば、必ずキャリア本人が手当てをすることが大事です。

血がついたものは、ビニール袋の中に入れて処分してもらうといった注意は必要です。それ以外は、特に心配はありません。また、キャリアの人が結婚した場合や、長く付き合いのある恋人などには、感染させてしまうリスクが高まります。

そのため、相手の人にワクチンを打ってもらい、感染しないよう対処することが重要です。相手に打ち明けることは、非常に勇気のいることですが、同時に病気を正しく理解してもらうためのチャンスでもあり、感染を予防するために大事なことです。

必ず、ワクチン接種をおこなってもらうようにすることが重要です。

(母親死亡でも子どもがb型肝炎ウイルスの訴訟を起こすために必要な書類は?)